2017年9月5日火曜日

宮大工 菊池恭二氏



すご腕 宮大工 菊池恭二「プロフェッショナル仕事の流儀」奈落の底からの再起



君の考えはどうなんだ?

 何も考えてない自分に気づいた


 【宮大工 菊池恭二氏 プロフィール】

1952年、岩手県遠野市生まれ。中学卒業後、遠野で住宅大工の修行を始める。21歳から約6年間、法隆寺大工、故西岡常一棟梁の元で薬師寺金堂、西塔の建立に携わりながら、寺社建築を学ぶ。90年、38歳で寺社専門の工務店、社寺工舎を遠野に創業する。全国各地の寺社建築の建立や文化財建造物の保存修理を指揮しながら、弟子の育成にも力を注ぐ。1997年から4年半かけて行なわれた、東京大田区の池上本門寺五重塔(重要文化財)の全解体保存修理工事も、大工棟梁として指揮をとった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『宮大工の人育て 木も人も「癖」があるから面白い 祥伝社新書』より

社寺工舎

木の心を読み、技で組み上げる



<宮大工の仕事は木との対話から始まる>
宮大工の大切な仕事に木の選定がある。木には、それぞれ「木癖(きぐせ)」と呼ばれる特徴がある。その癖を見極め、建物のどの部分に使うか決めていく。なぜなら、木は“暴れる”からだ。温度や湿度の変化によって、木は曲がったり割れたりする。木癖を読み切り、適材適所に木をあてがうことで何百年もの風雪に耐える建物を組み上げる。それが宮大工の技だ。

<木のゆがみ、経年変化を“読み”、決断する>
3月下旬、菊池の腕を見込んで、緊急の応援要請が入った。現場は、大分の文化財。室町時代の仏殿、その屋根の修復が立ち行かなくなっていた。現場に着くなり、菊池は地元の職人たちに次々に指示を飛ばし、作業を進めていく。その判断に一点の迷いもない。菊池は棟梁の決断についてこう語る。
「人生そのもの、職業そのものが(仕事の)“読み”につながっていく。その読みで決断する。読みができなければ、棟梁は務まらない」

<若き宮大工に伝えるのは、心と技>
菊池の人材育成法は、徹底してプレッシャーと向きあわせることにある。若手であっても責任の重い仕事を次々に任せる。「プレッシャーを乗り越えてこそ自分のものになるからさ。俺なんかプレッシャー楽しんでよ」と笑い飛ばす菊池。弟子の失敗は、師匠である菊池がすべてを負う。しかし師匠に失敗を背負う覚悟がなければ、弟子を育てることはできないと菊池は言い切る。
(NHK プロフェッショナル仕事の流儀より)



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